勤続年数が5年以下の者に対する退職所得の見直し

更新日: 2021/11/10

(1)改正の内容

 令和3年度の税制改正により、勤続年数が5年以下の者が受ける退職手当等で、特定役員退職手当等

(注2)に該当しないものは「短期退職手当等」とされ、その短期退職手当等に係る退職所得の計算においては、収入金額から退職所得控除額を控除した残額のうち、300万円を超える部分の金額については「2分の1課税」を適用しないこととされました。

 この改正は、令和4年分以後の退職金について適用されます。

 

(2)退職手当等の区分と課税退職所得金額の計算式は次のようになります。

退職手当等の区分

課税退職所得金額

一般退職手当等の場合 (注1)

(一般退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2

特定役員退職手当等の場合

(注2)

特定役員退職手当等の収入金額-退職所得控除額

短期退職手当等の場合

短期退職手当等の収入金額-退職所得控除額≦300万円の場合
(短期退職手当等の収入金額-退職所得控除額)×1/2

短期退職手当等の収入金額-退職所得控除額>300万円の場合
150万円+{短期退職手当等の収入金額-(300万円+退職所得控除額)}

(注1)一般退職手当等とは、退職手当等のうち、特定役員退職手当等及び短期退職手当等のいずれにも該当しないものをいいます。

 

(注2)特定役員退職手当等とは、役員等としての勤続年数(以下「役員等勤続年数」といいます。)が

5年以下である人が支払を受ける退職手当等のうち、その役員等勤続年数に対応する退職手当等として支払を受けるものをいいます。