民法改正 ~消滅時効の見直し~

更新日: 2017/08/02

改正民法が平成29年5月26日可決、成立しました。

1896年制定後初の大きな改正で、3年程度の周知期間を経て施行されます。

中小企業に関係の大きい点を紹介します。

 

●消滅時効

消滅時効とは債権者が債務者に対して請求等をせず、一定の期間が過ぎるとその権利が消滅してしまう制度です。

 

 

●現行民法

原則として時効期間は債権者が「権利行使できる時から10年

例外として、職業別で短い期間の消滅時効があります。

工事請負代金、医師等の診療報酬請求権は3年

一般商店の販売代金等の代金請求権は2年

飲食店等の代金請求権は1年など細かい区分があります。

 

●改正民法

原則として時効期間は債権者が「権利行使できる時から10年」もしくは「権利行使できることを知った時から5年」のいずれか早い方とされます。

職業別の短い期間の消滅時効もなくなります。

代金の支払で考えると支払期日の到来=権利行使できることを知った時になるので多くの場合「権利行使できる時」と「権利行使できることを知った時」は一致する事になります。

 

(現状)            起算点            時効期間                           例

原則

 

権利行使できる時から

10年

個人間のお金の貸し借り等

 

職業別

3年

工事請負代金、医師等の診療報酬等

2年

一般商店の販売代金等

1年

飲食料、宿泊料等

                                                                                     ⇓

(改正)                   起算点・時効期間

原則

権利行使できる時から10年

権利行使できる事を知った時から5年

いずれか早い方

職業別の違いなし