受付電話番号:075-314-1377
更新日: 2023/02/02
(1)概要
国税庁は、副業収入の所得区分に係る改正所得税基本通達を公表しました。2022年8月に発表された当初案では、副業収入が300万円以下の場合に「雑所得」に該当する旨が示されていましたが(税務&トピックス「国税庁が雑所得の範囲の明確化を示す」参照)、国税庁に寄せられた7,000件超の意見等を踏まえ、改正通達では同内容を削除し、大幅に見直しが行われました。
(2)内容
本通達は、業務上の「雑所得」に該当する所得を例示するとともに、「事業所得」と認められるかどうかの判定についての考え方を明らかにしたものです。
改正通達では、「事業所得と認められるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上、事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定する」という取扱いを原則とした上で、「その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存がなく、かつ、収入金額が300万円以下の場合には、雑所得に該当する」ことを示しました。
ただし、帳簿書類の保存等がある場合、収入金額が300万円を超える場合であっても、その事実のみで事業所得に区分されるわけではなく、事業と認められるかどうかは個別に判断するとしています。(注1)(注2)
(3)「事業所得」と業務上の「雑所得」の区分(イメージ)
収入金額 |
帳簿書類の保存あり |
帳簿書類の保存なし |
300万円超 |
概ね事業所得(注1) |
概ね雑所得(注2) |
300万円以下 |
概ね事業所得(注1) |
雑所得 |
(注1) 次のような場合には、事業と認められるかどうかを個別に判断することとなります。
① 収入金額が例年(概ね3年程度)300万円以下で主たる収入に対する割合が10%未満の場合
② 例年赤字で、かつ、赤字を解消するための取組を実施していない場合 (注2) 事業所得と認められる事実がある場合には、事業所得として取り扱います。
(4)適用時期
2022年分以後の所得税について適用されます。